私の会社で管理する女性専用戸建シェアハウスの玄関先で、近所に住む70代くらいのおばあちゃん(と言っても商店を営んでいるからか、元気で若々しく見える方)とのお話が印象的でした。
私はたまたま、玄関先に落ち葉や花びらがいっぱいに広がっていましたので、ほうきと塵取りで落ち葉を集めていました。
おばあちゃん「あなたはここの管理人さん?」
私「はい、そうです。」
おばあちゃん「この落ち葉たち、いつも気になっていたんだけど、ここに住んでいる方は女性?自分でお掃除なんかはしないの?」
私「シェアハウスでして、使ったスペースの掃除やごみ出しなどはご自身でやっていただいています。加えて、週1で私たち管理会社が共用スペースの掃除をしています。」
おばあちゃん「そうなの~。(住んでいる方が)自分でやればいいのにね~。」
そんな会話のやり取りをしました。
業務上、共用スペースの管理責任は管理会社やオーナーにあります。
でも、よくよく考えてみると、昔は戸建住宅に住んでいれば誰しもが家の中はもちろん、玄関先や庭先まで大人であれば自分たちで掃除をするのが当たり前だったはずです。小さな子供でも、親の手伝いなどで掃除をしていた家庭が多かったはず。
現代社会ではマンション・アパート住まいが増え、親も子にそこまで言わなくなり、成人時して一人暮らしするまで、掃除、洗濯など一切したことがない人も多い気がします。
ましてやシェアハウスに入ったことで、玄関先、トイレ・洗面、浴室・キッチンに至るまで、多少の片づけや拭き掃除をすれば、後は管理会社やオーナーが掃除をしてくれるから、自分自身はしなくていい環境が実現できてしまう。
ある側面では‟合理的”であり、忙しい20代~30代社会人にとってありがたいのかもしれません。
でも、その反面では、最低限生活していく上でのスキルを磨くチャンスを、提供する側が奪っていることになるのではないか・・・。
比較的高級志向のサービスアパートメントならまだしも、一般的な相場賃料で経営しているシェアハウス。
「共有スペースのあり方」について、世に賃貸住居というプロダクトを提供するものとして改めて考えさせられたエピソードでした。
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