共用部と専有部
シェアハウスというのは、一般的なマンション、アパートよりも「共用部」の占める割合が広いです。
「共用部」とは、「専有部」以外のスペースです。
「専有部」とは、賃貸借契約上の「あなた(借主、入居者)だけが専有して使っていいスペース」と決められている部分です。マンションやアパートであれば、部屋の玄関ドアから中の部分です。
シェアハウスでは、キッチンやトイレ、洗面、浴室等が専有部ではなく、共用部となり、‟入居者であれば誰でも使っていい場所”となります。
その共用部の清掃、備品(洗剤、トイレットペーパー等)の補充、修繕は入居者ではなく管理人やオーナーが担うケースが多いです。(そうはいっても、全く清掃しなくていいという意味ではないです)
そうすると、入居者にとっては清掃や日用消耗品の購入の手間が省けてラッキーとなります。
この点をメリットと感じて入居していただく方も少なくありません。かつて私も一シェアハウス入居者だった時は、この点をとてもありがたく思っていました。
しかし、物件を提供し運営する側になってみると、提供し過ぎることは、入居者の生活力低下を招く要因を与えることになると思う事が多々あります。
日常生活で必要なキッチン用品、清掃用具、トイレ用品を自ら購入しなくてよいということは、‟何がだいたいいくらで(値段)、どんなものを選定すればいいのか?” ‟どんな汚れにはどんな掃除方法があるのか?”という事を知らずに生活できることになります。
現代社会を生きる上で、そういった事を知っているのと知らないのでは、後々に一人暮らしをした時や結婚して家族を養う立場になった時に必要だと思います。
必ずしも「入居者に喜んでいただく事=入居者のためになること」ではないことがあることを実感する一つのエピソードです。
今後は、そんな点を考慮したシェアハウスを作りたいなと思っています。